皆神山は豊栄のシンボルであり、豊栄に住む人々の心のよりどころとなって、地域の発展を祈り、守り続けてきた山である。
標高は679メートル、まわりが8キロにおよぶ皆神山は今から35万年前に、堆積作用が進行していた長野盆地の一偶に噴出した輝石安山岩の火山である。この溶岩は粘り気が強く、流れにくいマグマが地表に上がってきて、冷えて固まって丸味を帯びた山頂ど急傾斜の斜面をもつ溶岩頂丘(溶岩ドーム)となった。中央部のくぼみは噴出した溶岩が地下に逆戻りしたことを示している。この山の安山岩は見た目で鉄分の多い赤石と少ない青石の二種があって、豊栄や松代町内の石仏、墓石に多用され、松代城の石垣にも使用されている。
山頂には三つ峰があって、西の峰、中の峰、東の峰と呼ばれてすいる。かつては各峰にお宮があって(熊野三社権現)、600年前に中の峰に合祀しされ、現在に至っている。8合目より上の土地は江戸時代まで朱印200石の和合院領であった。かつての呼び名は「郡神山」あるいは「水上山」で、慶長年間からは皆神山となった。