矢沢家は松代藩において、代々無役(むやく)席(筆頭家老格)を務め、江戸中期以後は石高1400石、預同心40人の藩中最高の家格であった。
寛政4年(1792)に再建されたこの長屋門は、間口13.19メートル、奥行3.72メートル、高さ6.83メートルで、屋根は入母屋造の瓦葺である。門の両側に武者窓を備えた同心部屋を配し、右の同心部屋の陣には「供待(ともまち)」という腰掛をそなえた開放の空間を備えている。鬼瓦や破風(はふ)に配された六連銭(むつれんせん)や、白漆喰(しっくい)の壁など城門を思わせる格式を持っている。
平成17年(2005)の火災により類焼被害を受けたが、約2年間の修理工事を経て甦った。
平成20年3月31日
長野市教育委員会
市指定有形文化財(建造物)
矢沢家の表門
長野市指定
昭和42年11月1日指定